Re-FRAME

本や映画、歴史、旅、社会のありようを感じたままに。

2024-01-01から1年間の記事一覧

安土城で見つけた信長と職人の攻防

安土城の説明は省略させていただく。旅先で訪ねたときの話を書きたい。 本能寺の変後、次の天下の趨勢を決める明智光秀と羽柴秀吉が争う山崎の戦い後まもなく、安土城は消失してしまう。理由は諸説あるが今だによくわかっていない。現在、城跡には天守閣跡ま…

『空母いぶき』と『鳴かずのカッコウ』の接点

仰々しくタイトルを付けておきながら、かわぐちかいじの漫画『空母いぶき』と手嶋龍一のインテリジェンス小説『鳴かずのカッコウ』の2冊を読んだ方なら、「接点」が何なのかはすぐにわかるだろう。 『カッコウ』の主人公は神戸公安調査事務所で働く新人青年…

仕事には貴賤があるから平等を叫ぼう

仕事に貴賤を感じてしまう自分が嫌だった。だが、結論から言うと貴賤はある。その貴賤を認めた上で「仕事は平等である」ということをここでは書きたい。「仕事には貴賤がある」ことを否定したいがために、「貴賤がない」と声高に叫ぶこと自体、もう既に「貴…

アメリカにとってゴジラは神たり得るのか 『ゴジラ―1』の私的所感

(ネタばれ含みます) 前作『シン・ゴジラ』に続き、最新作『ゴジラ-1(マイナスワン)』でも東京は蹂躙され、作中で日本人は何度も絶望に叩きのめされる。全ゴジラシリーズを鑑賞した私の所感としてこの2作品はこれまでのゴジラ映画とは一線を画している。…

藤原氏はどうして「藤原」なのか

奈良の春日大社を訪れたとき、藤の木がそこかしこに樹生していてふと思った。藤原氏が建てた神社であり、氏神でもある春日大社だから藤を大切にしているのだろう。ではこの藤たちは植えられたものなのか。あるいは生えていたものなのか。いやまてよ。そもそ…