Re-FRAME

本や映画、歴史、旅、社会のありようを感じたままに。

史記

安土城で見つけた信長と職人の攻防

安土城の説明は省略させていただく。旅先で訪ねたときの話を書きたい。 本能寺の変後、次の天下の趨勢を決める明智光秀と羽柴秀吉が争う山崎の戦い後まもなく、安土城は消失してしまう。理由は諸説あるが今だによくわかっていない。現在、城跡には天守閣跡ま…

藤原氏はどうして「藤原」なのか

奈良の春日大社を訪れたとき、藤の木がそこかしこに樹生していてふと思った。藤原氏が建てた神社であり、氏神でもある春日大社だから藤を大切にしているのだろう。ではこの藤たちは植えられたものなのか。あるいは生えていたものなのか。いやまてよ。そもそ…

姫路を化粧し、将軍喜悦す

姫路城を訪ねて驚いたのが、2代将軍・徳川秀忠の長女・千姫が一時期この城の姫として過ごしていたこと。7歳で豊臣秀頼と政略結婚した後、大坂夏の陣で戦火の中から救出されたのは有名だ。私自身「歴史好き」を標榜しながら、千姫がその後どうなったか知らな…

傾く殿様の悪乗りを感じた忍者寺

(一) 加賀百万石祈願所、日蓮宗/正久山妙立寺(みょうりゅうじ)。またの名を「忍者寺」と言う。妙立寺に忍者がいるからではない。「忍者屋敷のような」お寺という意味だ。建立したのは加賀藩三代藩主・前田利常。寛永20年(1643年)に金沢城近くから移築し…

此岸から宮島を臨む

(一) フェリーの甲板上の足元からゆっくり顔を上げると、視界には海が飛び込んできて、海のその最奥に朱色の鳥居が見えてきた。鳥居の背後には黒に近い緑を纏った山容が広がっている。宮島だ。 「宮島」という名称と「厳島」という名称のどちらが正しいの…