Re-FRAME

本や映画、歴史、旅、社会のありようを感じたままに。

書評

D・カーネギー『道は開ける』を読んで、遠藤周作に思いを馳せる

(一) D・カーネギー著『道は開ける』は「あらゆる人間に共通する『悩み』の実態とそれの克服法を述べたものである」(「訳者まえがき」より)。カーネギー自身がその生い立ちや中々売れなかった役者時代など悩み多き人生の中で、「悩み」に対してどう取り…

明治に記された『現代日本の開化』が示す未来

(一) 夏目漱石著『現代日本の開化』は明治44年(1911年)に大阪朝日新聞社主催の関西講演会で行われた講演筆記を改稿した評論である。私がこの著作にふれたのは、高校生だったか大学生だったか。印象として、正直ピンと来なかった。題名にある「現代日本」…